プロセス設計の進め方、エタノール合成プロセス、

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プロセス設計の基本的な業務を、エタノール合成設備のプロセス設計を題材に説明しています。

エタノール合成設備

プロセス設計に関する説明をより分かり易くするために、仮想的なプラントを設定しました。ここでは代替燃料として注目を浴びているエタノール合成設備のプロセス設計を通じて、プロセス設計の基本を学んでいきます。

原料を二酸化炭素(炭酸ガス)と水とします。ただし、誤解が無いように言っておきますが、二酸化炭素(炭酸ガス)と水から直接エタノールを作るプロセストは実用化されていません。あくまでも仮想プラントとしてご理解下さい。

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12. スチームタービンの熱収支

12.1 スチームタービン可能動力

エタノール合成設備から発生するスチームにより、エタノール蒸留設備に必要な熱量を十分に供給できることはすでに説明したので、スチームタービン周りの熱収支を計算し、獲得できる動力を求めてみる。

次表にスチームタービン周りの熱収支を計算する上で既知のパラメーターと未知のパラメーターを明記した。

スチームタービン熱収支 その1
項目 内容 数値
流入スチーム 流量 75,499kg/h
圧力 1.0MPa
温度 182℃
エンタルピー 2781.6kJ/kg
抽気スチーム 熱負荷 ? GJ/h
流量 ? kg/h
圧力 0.3MPa
温度 133℃
エンタルピー (2724.7kJ/kg)
背気 or 排気スチーム 流量 ? kg/h
圧力 0.3MPa or 12.3kPa
温度 133℃ or 50℃
エンタルピー (2724.7kJ/kg) or ? kJ/kg
動力 動力 ? kW

この表の中で未知の数値である抽気スチームの熱負荷(リボイラー熱負荷)と流量を求め、流入スチーム流量から背気(排気)スチーム流量を決定します。そこで、まず最初にエタノール蒸留塔における循環比を2.5と仮定し、リボイラー熱負荷を求めますと、

= 37.676GJ/h×2.5 = 94.19GJ/h

次に必要なスチーム量を求めます。ただし、抽気スチームのエンタルピーを飽和スチームエンタルピーの2724.7kJ/kgとし、その飽和水のエンタルピーを561.4kJ/kgとしますと、

= 94.190GJ/h÷(2724.7-561.4kJ/kg) = 43,540kg/h

この計算結果を先ほどの表に挿入しますと、以下のようになります。

スチームタービン熱収支 その2
項目 内容 数値
流入スチーム 流量 75,499kg/h
圧力 1.0MPa
温度 182℃
エンタルピー 2781.6kJ/kg
抽気スチーム 熱負荷 94.190GJ/h
流量 43,540kg/h
圧力 0.3MPa
温度 133℃
エンタルピー (2724.7kJ/kg)
背気 or 排気スチーム 流量 31,959kg/h
圧力 0.3MPa or 12.3kPa
温度 133℃ or 50℃
エンタルピー (2724.7kJ/kg) or ? kJ/kg
動力 動力 ? kW

次に前にも紹介しました”Dresser-Rand”にアクセスしてスチームタービンから獲得できる動力を求めてみます。その計算結果を次表にまとめました。

スチームタービン獲得動力
項目 背気タービン 抽気復水タービン
スチーム区分 背気スチーム 抽気スチーム 排気スチーム
流量 75,499kg/h 45,806kg/h 29,693kg/h
圧力 0.3MPa 0.3MPa 12.3kPa
温度 133℃ 133℃ 50℃
エンタルピー 2617.7kJ/kg 2617.7kJ/kg 2291.1kJ/kg
動力 3,437kW 6,131kW

ただし、抽気スチーム量やエンタルピーは”Dresser-Rand”の計算ツールの結果(動力)をもとに再計算した結果です。抽気スチームのエンタルピーが飽和スチームエンタルピーより低いなど、若干辻褄が合わないとは思いますが、今回はこれ以上の検討はいたしません。

12.2 抽気復水タービン

以上の結果から、背気タービンに比べ動力が約2倍と多い抽気復水タービンケースを採用することに致しました。
結果的には獲得できた動力は6,100kW余りですので、このスチームタービンを発電機の駆動機として利用して電力を作り、必要な所内電力(主に合成ガス循環機用モーター)を除いた電力(約5,600kW)を外部にexportすることにいたします。また、スチームタービンの復水器の熱負荷は約61.8GJ/hで、それに必要な冷却水量は約1,500ton/h(温度差10℃)になります。
詳細は、左目次欄下の”スチームシステムのフロー図を見る”をクリックしてください。