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化学工学はプロセス設計の基本となる工学で、原料から製品を作るためのものの流れ(狭義のプロセス)を具象化するために考えられた工学です。

化学工学を確立することで、以下の作業が可能となりました。

  1. 原料から製品を作るための手順(工程)を策定する。
  2. 工程に必要な機能を明らかにする。
  3. 機能を有する装置や機器を開発あるいは選択する。

工業的に生産されている化学物質は約10万種類あり、それぞれの生産プロセスに必要な装置や機器を1から設計することは限られた時間と経済的な面からあり得ないことです。

そこで化学プラントに共通する機能を抽出し、機能に係わる基礎理論と対応する装置の設計手法を決めました。それが化学工学の基本科目と応用科目です。

基本科目では化学や物理化学などの基本理論や現象を学習し、応用科目では化学機械の設計方法やプラント建設に係わる経済性評価を学習します。

化学工学の基礎と応用化学工学の基礎と応用
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第2章 化学プラント

2.3 建設プロジェクト
2.3.1 建設プロジェクトの発足

化学プラント建設のゴーサインが出ると、いよいよ建設プロジェクトを立ち上げることになる。
この建設プロジェクトは化学プラントのオーナーである客先側と、プラントエンジニアリングを担当するエンジニアリングコントラクター側にプロジェクトマネージャーをリーダーとしたプロジェクト組織が構築される。次いで建設開始から完成までの全体スケジュールがエンジニアリングコントラクター側およびオーナー側の協議を経て作られる。以後のプロジェクトの進捗は、余程のことが無い限り(天変地異など人間の手に負えない事変)、この全体スケジュールに則って進められなければならない。

このプラント建設をスケジュールに沿って円滑に進行させるためには、定期的な進捗状況の把握とスケジュールへの反映、それに伴う迅速な人員や物量の投入が必要となる。予算が限られた建設プロジェクトでは、経費増大を伴う物量の投入を躊躇するためにスケジュールの遅延を招き、結果的に赤字幅が増えて失敗することがある。

2.3.2 プロジェクトチーム

オーナー側プロジェクトは客先本社に所属しているエンジニアおよび工場側エンジニアから構成される。具体的には技術サイドと運転サイドおよび保守サイドの三つに分かれており、

  1. 技術サイド:主にプロセスエンジニアリングなどの技術的内容を担当し、本社あるいは工場の技術部出身のエンジニア
  2. 運転サイド:運転の見地からエンジニアリング全般をチェックする。建設完成後は運転する立場であるから、エンジニアリングへの改善や変更の要望は事細かくなる。
  3. 保守サイド:プラントの保守点検を行う見地から、エンジニアリング全般をチェックする。


一方、エンジニアリングコントラクター側のプロジェクトチームには、その目的に応じて数多くのエンジニアが任命される。例えば、

  1. ジェネラルマネージャー(general manager):建設対象が複数のプラントから構成されるコンプレックスの場合、各プラントごとにプロジェクトチームが設けられ、ぞれら全体を管理するために任命されるマネージャー。各プロジェクトマネージャーの上位に立つ。
  2. エンジニアリングマネージャー(engineering manager):プロジェクト内のエンジニアリング上の品質を管理する。新規プロセスでは技術的な課題が多いので任命されることが多い。
  3. スケジュールコントローラー(schedule controller):プロジェクトスケジュールを管理するエンジニアで、エンジニアリングコントラクター内部の複数の業務の進捗を管理する。
  4. マテリアルコントローラー(material controller):建設に必要な物量の仕入調達運搬などの物流を管理する。

これ以外にプロセスエンジニアやメカニカルエンジニア(容器・回転機・配管・電気・計装)がプロジェクトに所属する。これらのエンジニアはタスクフォースで業務を行い、業務完了あるいは中断した場合には所属部署に戻ることになる。そのためにアサインエンジニア(assigned engineer)とも呼ばれる。

プロジェクトマネジメント

”プロジェクトマネジメント”は現在ではIT業界にて多く使用されている用語であるが、もともとは巨大な土木工事などのスケジュールを管理するために考案され、1950年代に入り特に発展した管理手法である。
その過程の中で”クリティカルパス”や”ガントチャート”、あるいは”PERT”などのテクニックが考案され、土木工事だけではなく、プラント建設や航空機の開発、あるいは軍事や宇宙開発関連に頻繁に採用されている。
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